「創業したいけど、資金が足りない」「融資や補助金があるらしいけど、何から手を付ければいいかわからない」——これから起業を考えている方や、創業して間もない経営者の方から、こうしたご相談をいただくことが非常に多くあります。

実際、日本にはスタートアップや小規模事業者を支援するための融資制度・補助金・助成金が数多く存在します。しかし、制度の全体像を把握し、自社に最適なものを選び、申請書類を不備なく準備するのは簡単ではありません。

この記事では、2026年度(令和8年度)にスタートアップが活用できる主な資金調達制度を一覧で整理し、申請前に税理士へ相談することで得られるメリットを具体的に解説します。資金調達の成功確率を少しでも高めたい方は、ぜひ最後までお読みください。

創業時の資金調達、主な選択肢は3つ

創業期の資金調達方法は、大きく分けて以下の3つに分類できます。

  • 融資(借入):返済義務あり。日本政策金融公庫や民間金融機関からの借入
  • 補助金・助成金:原則返済不要。国や自治体が特定の目的のために交付
  • 出資(エクイティ):返済不要だが株式の希薄化が生じる。VC・エンジェル投資家など

この記事では、特に多くのスタートアップ・個人事業主が利用しやすい「融資」と「補助金・助成金」に焦点を当てて解説します。

【融資編】2026年度に活用できる主な創業融資制度

1. 日本政策金融公庫「新規開業資金(新創業融資制度の後継)」

創業融資の王道ともいえるのが、日本政策金融公庫の融資制度です。2024年度に「新創業融資制度」が廃止され、現在は「新規開業資金」として統合・拡充されています。

  • 対象:新たに事業を始める方、または事業開始後おおむね7年以内の方
  • 融資限度額:7,200万円(うち運転資金4,800万円)
  • 無担保・無保証人での利用が可能(要件あり)
  • 自己資金要件:制度上は撤廃されましたが、審査上は自己資金が創業資金総額の10分の1以上あることが望ましいとされています
  • 金利:年利1%〜3%程度(2025年時点の水準。変動あり)

日本政策金融公庫は民間金融機関と比べて創業期の事業者に対する審査が柔軟で、実績がまだ少ない段階でも融資を受けやすいのが大きな特徴です。

2. 信用保証協会の保証付き融資(制度融資)

各都道府県や市区町村が信用保証協会と連携して提供する制度融資も、創業期の強い味方です。

  • 対象:創業予定者または創業後5年未満の事業者(自治体により異なる)
  • 融資限度額:3,500万円程度が一般的(自治体により異なる)
  • メリット:自治体による利子補給や保証料補助がある場合があり、実質的な金利負担が軽減される

例えば東京都の「創業融資」では、信用保証料の一部を都が補助する仕組みがあり、資金調達コストを抑えることができます。お住まいの地域の制度を確認することが重要です。

【補助金・助成金編】2026年度に注目すべき制度

1. 小規模事業者持続化補助金

小規模事業者の販路開拓や業務効率化を支援する代表的な補助金です。創業したばかりの事業者も「創業枠」を活用できます。

  • 補助上限額:通常枠50万円、創業枠・特別枠で最大200万円
  • 補助率:2/3(一部3/4)
  • 対象経費:広告宣伝費、ウェブサイト制作費、展示会出展費、設備導入費など

※2026年度の公募要領は変更の可能性があります。最新情報は公募開始時にご確認ください。

2. ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)

革新的な製品・サービスの開発や、生産プロセスの改善に取り組む中小企業・小規模事業者を支援する補助金です。

  • 補助上限額:750万円〜5,000万円(申請枠・従業員規模により異なる)
  • 補助率:1/2〜2/3
  • ポイント:設備投資を伴う創業であれば積極的に検討したい制度

3. IT導入補助金

業務効率化やDX推進のためにITツール(会計ソフト、受発注システム、ECサイト構築など)を導入する際に活用できます。

  • 補助上限額:最大450万円(枠により異なる)
  • 補助率:1/2〜4/5

4. 各自治体の創業支援補助金・助成金

国の制度に加えて、都道府県や市区町村が独自に実施する創業支援補助金も見逃せません。例えば、東京都の「創業助成事業」では最大300万円(助成率2/3)が支給されます。地域によって制度の有無や内容が大きく異なるため、地元の商工会議所や自治体窓口への確認が欠かせません。

5. 厚生労働省系の助成金(雇用関連)

従業員を雇用する予定がある場合、キャリアアップ助成金トライアル雇用助成金などの厚生労働省系助成金も活用できます。これらは要件を満たせば原則として受給できるため、補助金と比べて採択の不確実性が低い点がメリットです。

なぜ申請前に税理士へ相談すべきなのか?

「補助金や融資の申請くらい自分でできるのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。もちろん、ご自身で申請すること自体は可能です。しかし、税理士に相談することで資金調達の成功確率が大きく変わるケースが少なくありません。

理由1:事業計画書・収支計画の精度が上がる

創業融資の審査で最も重視されるのが事業計画書です。日本政策金融公庫の融資審査では、売上予測の根拠、資金使途の妥当性、返済能力の見通しなどが細かくチェックされます。

税理士は日常的に数字を扱うプロフェッショナルです。「なんとなくの売上予測」ではなく、業界の平均的な利益率や固定費の相場を踏まえた、説得力のある数値計画を一緒に作り上げることができます。

理由2:自社に最適な制度を選定できる

融資・補助金・助成金は種類が多く、それぞれに対象要件や申請時期が異なります。税理士は複数の制度を横断的に比較し、お客様の業種・事業規模・タイミングに合った最適な組み合わせをご提案できます。

理由3:申請書類の不備を防げる

補助金申請で意外と多いのが、書類の不備による不採択です。添付書類の漏れ、記載内容の矛盾、経費区分の誤りなど、些細なミスが致命的な結果を招くことがあります。税理士が事前にチェックすることで、こうしたリスクを大幅に減らせます。

理由4:採択後・融資実行後の経理体制も安心

補助金は採択されて終わりではなく、交付後の実績報告や経費の証憑管理が求められます。また、融資を受けた後は返済計画に沿った資金管理が不可欠です。創業時から税理士と連携しておけば、これらの対応もスムーズに進められます。

資金調達を成功させるための3つのポイント

  • 早めに動く:補助金には公募期間があり、融資審査にも1〜2か月かかるのが一般的です。「資金が必要になってから」では手遅れになることも。創業の6か月〜1年前から情報収集を始めましょう。
  • 複数の制度を組み合わせる:融資と補助金は併用可能なケースがほとんどです。例えば、日本政策金融公庫の融資で運転資金を確保しつつ、持続化補助金で販路開拓費用を補填するという組み合わせが有効です。
  • 専門家を味方につける:税理士や中小企業診断士など、資金調達の実務に詳しい専門家に早めに相談することで、準備の質とスピードが格段に上がります。

まとめ

2026年度も、日本政策金融公庫の創業融資、小規模事業者持続化補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金、自治体独自の創業支援制度など、スタートアップが活用できる資金調達制度は豊富に用意されています

しかし、これらの制度を最大限に活用するためには、正確な事業計画書の作成、最適な制度の選定、不備のない申請書類の準備が不可欠です。資金調達の成功確率を高めるために、ぜひ早い段階で税理士にご相談ください。

平川文菜税理士事務所では、創業融資の事業計画書作成支援から、補助金申請のアドバイス、創業後の経理・税務サポートまでワンストップで対応しております。「どの制度が自分に合っているかわからない」「事業計画書の書き方を教えてほしい」など、お気軽にご相談ください。

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